「食べる」を考える、2019年度調味料講座が修了しました。

 

 

今年度の調味料講座が修了しました。

 

 

ご参加頂いた皆さん、ありがとうございました^^

 

 

調味料講座では、基本調味料について、本物の調味料とは何か

 

 

各調味料の選び方、揃え方、使い方などを学びます。

 

 

実食のレシピでは、脱レシピ、脱加工調味料をテーマに

 

 

素材の味わいを活かした、自然な味のおかずをご紹介させて頂きました。

 

 

レシピはシンプルで簡素なものばかり。

 

 

お好みで、調味料を足したり、市販の加工調味料をちょい足ししてもOK。

 

 

ご自身の味覚を頼りに、味付けができることを意識して頂きます。

 

 

 

生徒さんのInstagramより。

 

 

また、調味料講座2日目では、土井義晴先生の著書一部をご紹介。

 

 

『食べる人というのは、お腹が空けば機嫌が悪くなる。お腹を空かして、メニューを見れば、濃厚で量の多い空腹を満たす料理を選ぶ。お腹を空かしてデパ地下を歩けば、なんでもおいしそうに見えてきて、気がつけば食べきれないほど、余計なものを買っている。そのような食べる人が私の中にもある。ようするに、食べる人というのは、感情的で、自分勝手なものなのだ。すでに冷静ではないといえる。そんな"食べる人"に、大切な食べることを任すわけにはいかない』

『自然の摂理に従えば、身体に良いものは、必ずおいしいもの。おいしいものは、はかないものである。ロックコンサートのように刺激の強い音ではない。耳を澄ませなければ聞こえない、鳥のさえずりや川のせせらぎのような穏やかなるもの。真のおいしさとは、舌先で味わうのではない、肉体が感じる心地良さ、ひとつ一つの細胞が喜ぶものなのだ』

 

土井善晴「おいしいもののまわり」より

 

食べるという行為は本能的な衝動でもあり、味覚は習慣によっても形成されます。

 

 

現代日本は、感覚を麻痺させる刺激的なものが溢れています。

 

 

前例のない飽食時代で、食生活も同様のことが言えます。

 

 

簡単に買えるから、いつでも手に入るからといって、ジャンクなものばかり食べていると

 

 

味覚は刺激に鈍化し、身体ごと、そうした食事が習慣化されてしまうのです。

 

 

 

生徒さんのInstagramより。コメントに注目。『素材の味っていちばん美味しくて無駄がないんだな』その通り。また一つ、素材の美味しさに気づくことができましたね。

健やかな食生活を選択する時代

 

 

現代は残念ながら、食においても自制する力が必要だと感じます。

 

 

長いこと「食べる」行為は自然の営みでしたが

 

 

現代は、自然に任せていたら、流されてしまう時代のように感じます。

 

 

毎日いつでも買えるショートケーキに、特別感どころか、日常感さえ感じることが多々あります。

 

 

買えるから、手に入るからといって、年中食べていたら、どこかで必ず歪みを生じます。

 

 

時代はものすごく豊かになったけど、幸せだけど、どこか切ない気持ちになります。

 

 

食の専門家として、学べば学ぶほど、伝えていかねばならないことが増えていきます。