レッスンをこなす中で、おいしさとは、大きく分けて2種類あるなと考えます。
私はよく『美味しいものは身体に良い。逆も然り。』と伝えます。
『身体が喜ぶ美味しさ』という表現もします。
すると、じゃあファストフードやスナック菓子は?という疑問が浮上します。
これに関しても、理論で仮説立てることが可能です。
ファストフードは命をつなぐ味
手料理は、からだを養う味
人類は何千年と、飢餓との戦いでした。
その飢餓時代の幕引きは、日本であれば、第二次世界大戦後。
高度経済成長を経て、食糧の生産・流通量がぐんと増えた、まさにこの70年余り。
人間をはじめとする生物は、食糧から、エネルギーを得ます。
このエネルギーをもとに、生命活動が維持されます。
つまり、エネルギー(カロリー)を得なければ、死に直結するのです。
すなわち、高カロリーの味は、まさに命をつなぐ味。
本能的に、求める美味しさと言えるでしょう。
一方で、手料理など、滋養に富む料理は
からだの調子を整える、ビタミンやミネラル、食物繊維、その他栄養素を含みます。
これらは、不足してもすぐに問題になることはありませんが
中長期的に不足、あるいは慢性的に不足することで、健康問題を引き起こします。
なので、エネルギーほどパンチのある美味しさではありませんが
じんわりと、からだが和らぐ美味しさを感じます。
人間にとって、どちらの美味しさも、大切なものなのです。
相反する美味しさのように感じますが、こう考えると
どちらも、からだのシステムに沿った美味しさですね。
現代の日本では、カロリーは不足どころか、超過の時代。
外食や中食、加工食品の拡大により
不足しているのは、後者の栄養素と言えるでしょう。