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一杯33円の幸福

 

 

毎朝、自分で作る本物の味噌汁を口にする瞬間、えも言われぬ幸福感を感じます。

 

 

からだに心地よく沁み渡る、全身で感じるおいしさです。

 

 

こんな美味しいものは、外でいくらお金を払っても、手に入らないと確信します。

 

 

でも、原価はたったの33円。

 

 

本当に、その価値は33円なのでしょうか。

 

 

お金で買えない価値

 

 

金額というのは、モノの価値を示す一つの指標であり、ツールです。

 

 

世の中のすべての事象を、お金という尺度で測ることはできません。

 

 

例えば、ヒトの命。お金に換算できませんね。そして健康や感情。お金で買えませんね。

 

 

この味噌汁も同様で、味噌、水、豆腐、わかめには、相場に倣った金額がつけられています。

 

 

ですが、この美味しさや品質を作る過程に、金額はありません。

 

 

その美味しさや品質を見極め、選択し、活かした最善の調理をする手間にも、金額はありません。

 

 

この、金額のない部分に、大きな価値が存在しています。

 

 

この価値は莫大で、プライスレス。そう実感する毎朝です。

 

 

買わないという選択肢

 

 

するとだんだん、モノにお金を払うってなんだろうと思いはじめます。

 

 

世の中には高価なものがたくさんあるけど、一方で、金額はないけれど価値のあるものもたくさんある

 

 

金額=価値 ではないということにまず気づき

 

 

本当に、その金額に見合った価値があるのかどうか、と考えはじめます。

 

 

例えば、外食。

 

 

数万円する外食を楽しみ、よしとしていた過去が私にはありました。

 

 

でも今は、原価33円の味噌汁の方に、はるかな価値を感じています。

 

 

するといつからか、数万円、数千円の外食に、魅力を感じなくなってしまったのです。

 

 

2019年は、外食や外出の頻度が、ぐんと減りました。

 

 

美味しいものは家の台所から生まれるし、穏やかな時間はリビングにあると知っているからです。

 

 

幸せはお金がかからない

 

 

若い頃は、お金をかけ、お金を使うことが幸せだと感じていたのかもしれません。

 

 

でも今は、お金を使うことに、興味がなくなりつつあります。

 

 

本当の価値は、お金かかからないところにたくさんあると気づいたからです。

 

 

家族の健康を養い、団欒の笑顔を作り、外で買えない温かさを持つ手料理こそ

 

 

金額に換算できない、価値があると言えますね。